施術をしていて、最近「肩が凝りツライ」というお客様が多くなってきました。
肩こりと「春」はとても関連性があります。
今回は、春と関連する症状についてご紹介します。
先日、「ここ最近、肩が凝って困っている」と来院されたお客様。
不定期でいらっしゃいますが、毎回肩凝りというわけではなく、疲労・腰の重だるさ・膝の痛みなど症状は様々。しかし毎年、特に春先に来院回数が増えます。
なぜなのでしょう?
「春」は陰から陽へと変化していく時期。
まだまだ、寒さも残る時期とはいえ陽気が増してくると体にも様々な影響を及ぼします。
特に、体の中で影響を受ける場所は「肝」と考えられています。
「肝」は体や心を伸び伸びと開放的にする働きがあります。春になると気分が上がり、外出したり運動したくなるのは、単に暖かさのせいだけでなく、陽気が肝に影響して活動的になるからです。
しかし、「肝」の働きが鈍い場合は、体は陽気によって変化するのに、心身が伸び伸びと開放的にならない状態になります。その状態が、身体的には肩こりとして現れ、精神的には悶々とするような気分として感じられます。
このお客様は、他に、脇腹の痛み、胃のムカつき、パニックを起こす、間食をしたくなるなどの症状もありました。これらは皆「肝」の影響する症状です。春に来院が多かったのは、「肝」の不調が原因と考えられます。
肝腎要
今では、肝心要と「心」で表されますが、昔は「腎」だったそうです。どちらにしても、人の体で大切なものとして「肝」が挙げられています。
腎は「陰の気」によって、肝は「陽の気」によって活動的になる。肝と腎が心身の陰陽のバランスを調和するからこそ要として重視されます。
冬から春に変わるこの時期、陰から陽へ上手く体を変化させることが何より大切です。
そのためには、体の四肢(手足)やお腹に冷えとして溜まった陰気を出して、陽気を取り入れるための外出や運動は、体にとても良いことです。朝、日の光を浴びるだけでも陰気と陽気の入れ替えにつながります。
「肝は目に開竅する」
おすすめは、朝日を一瞬でも良いので目に取り込んであげることです。(見過ぎには注意してください。)
肝は目と密接な関係があり、目は肝血で栄養されていると考えられ、肝の症状は目に表れます。ですから、目に陽気を取り込むことは、肝を養うことになります。
今年の冬は特に寒かったので、少しでも積極的に体に陽気を取り入れるように心がけてみでください。肩のこりも自然に和らぐようになってきますよ。それでもダメな場合は、推拿で陰陽バランスを整えていきましょう。
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でも、東洋医学(主に中医学)は漢字ばかりで難しそうなイメージが・・・
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(化粧品業界で13年、治療現場で12年の私個人の意見も含みます。)
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