
先日、お客様からこんな相談を受けました。
お客さまは、足ツボが好きでよく通っていたそうです。
足ツボは45分・60分とコースがあり、立ち仕事をしているお客さまは疲れた時には60分コースを選択していました。しかし、なぜか45分では気持ちよかった足ツボを60分のコースで受けると途中で必ず胃がムカムカしてきて必ず吐き気がする。
疑問に思って、ネットで調べたところ2つの答えらしきものがあったそうです。
1つは、「好転反応」。好転反応とは体調が良くなる前にさまざまな症状が生じることです。つまり、今回のケースでは体調が良くなる前提として吐き気が出たということになります。
もう一つは、施術者が下手。
さて、どちらなのでしょうか?
私の答えは、「どちらでもない」です。
足ツボは、「反射区」を利用した施術です。つまり、足の裏には臓器・器官に影響を与える場所があり、そこを刺激する療法です。
「好転反応」は症状が良くなる前兆の症状なので、足の反射で起こる症状とは違うものでしょう。
また、「術者が下手」とは言っても45分では気持良いのですから、下手とは言えないでしょう。
では、なぜ「吐き気」がするのか?
おそらく、「60分では刺激がありすぎ」が答えです。
過ぎたるは及ばざるが如しです。
足ツボは反射を利用した施術、刺激すればするほど対象臓器・器官は反応します。
これは、風船に空気をずっと入れているようなもの。想像してもわかるように、空気を入れ過ぎれば風船は割れてしまいます。
一方、推拿や鍼治療では、「補瀉」という考えをもとにやり方を決定しております。「補」とは文字通り補うこと。「瀉」は取り除くという意味です。つまり、臓器・器官の状態に応じて補ったり、取り除いたり調節するということです。この考えが体の気や血の流れを生むことになり、調子を整えていくことになります。昔は、推拿・鍼灸は「行気」と呼ばれていた所以です。
人の体は、単純化すると「ちくわ」のようなものだと例えられます。要は、口と肛門を出入り口とした管状の生き物だということです。「鯉のぼり」を想像してみでください。鯉のぼりは、「風」がないと動きません。
この例えに沿えば、「風」が「気・血」ということです。「気・血」の流れが重要ということです。
推拿は、この「気・血」の流れを何より重視します。だから長時間の施術でも気持ち悪くなったり、もみ返しが起こるということはありません。(術者は疲れますが、、、)
実際、このお客さまも60分以上の施術でも吐き気は感じず、むしろ体が軽くなったと毎回ご満足いただいているます。
季節もようやく春めいてきました。青空を元気に泳ぐ鯉のぼりのように、気血も流れを良くしてみませんか?推拿療法にご興味のある方は、是非一度お試しくださいね。
東洋医学は美容と健康に役立つエッセンスの宝庫。
でも、東洋医学(主に中医学)は漢字ばかりで難しそうなイメージが・・・
このブログでは、そんな方にもわかりやすいように、学問としての東洋医学ではなく、
実際の治療現場で目にしたり・自分が経験した事例を元に、東洋医学をご紹介します。
(化粧品業界で13年、治療現場で12年の私個人の意見も含みます。)
きっと、あなたの美容や健康にお役立ていただけるはずです。
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