お客様から「少し動くだけで息があがってしまう。どうしたらいいですか?」と相談されました。
単に、体力が落ちたから?それとも歳のせい?など様々な理由がありますし、そう言われて「そうなのかな・・・」と、あやふやなままにしてしまうことはありませんか?
今回は、なぜ息があがってしまうのか考えてみたいと思います。
「息」
といえば呼吸。
息が上がることは、呼吸に問題があるといえます。
人は寝ていても、呼吸をします。これは脳の呼吸中枢が働いているからです。脳から起きていても寝ていても絶えず呼吸をすることで全身に酸素を行き渡らせ、二酸化炭素などを回収します。
息が上がるのは酸素が行き渡っていないせいか、呼吸中枢に何らかの原因があるかということになります。
うまく酸素が取り込めない:肺の機能が低下(肺気腫や気胸などの症状)
うまく酸素を全身に送れない:心臓の機能が低下(心不全や動脈硬化など)
うまく呼吸ができない:脳機能(呼吸中枢)の機能低下(無呼吸症候群など)
しかし、それ以外でも息が上がることは、多々あります。
施術していて、圧倒的に多いのは次の2つの要因です。
「ストレス」と「姿勢」
ストレスは緊張した状態が続くと心拍数が上がり、呼吸が速くなります。対人関係や環境によって、自律神経のバランスが崩れることで息が上がることのあります。(パニック症候群など)
長期のストレスは、胃や横隔膜にも影響し、肺が膨らむのを妨げます。
同じように、姿勢不良も肺の拡張を制約する原因として挙げられます。
東洋医学では、どう考えるのでしょうか?
「肺」も考えるのですが、まず最初に注目するのは「心」です。
「心」は血脈を主り、心気の力によって血が循環すると考えられています。
また、心は神志を主るとされ、神(=精神意識)と志(思惟活動)に関係します。
ストレスは、心労やショックという形でこの神志にダメージを与えます。
だから、ストレスによって「心」の活動が鈍り、息があがってしまうということも考えることができます。
では、「心」の活動を維持して息が上がらないようにするにはどうすればいいのでしょうか?
結論は、「筋肉を鍛えましょう」です。
東洋医学の考えでは、心の活動を支えるのは「肝」です。
これは心と肝の関係が母子の関係とされ、心は「子」で、肝が「母」となります。
「母」が元気だと「子」が元気になる考え方から、「肝」を元気にすれば「心」も元気になります。
つまり、ストレスから「心」を解放するには、「肝」がしっかりしていれば良いのです。
「肝」は筋(筋肉や腱など)を主ります。
なので、肝をしっかりさせるには元気な筋が必要です。
逆に、筋が元気でないと「心」が弱り、ストレスに耐えきれなくなってしまいます。
息が上がると、何か運動をしては余計に息があがってしまうのではと心配してしまうかもしれませんが、ストレスが原因かなと思ったら、筋トレとまではいかなくでも、外に出て体を動かして筋肉を使ってみてください。
春の陽気と共に体も気分も一新して、息も整ってくるようになりますよ。
東洋医学は美容と健康に役立つエッセンスの宝庫。
でも、東洋医学(主に中医学)は漢字ばかりで難しそうなイメージが・・・
このブログでは、そんな方にもわかりやすいように、学問としての東洋医学ではなく、
実際の治療現場で目にしたり・自分が経験した事例を元に、東洋医学をご紹介します。
(化粧品業界で13年、治療現場で12年の私個人の意見も含みます。)
きっと、あなたの美容や健康にお役立ていただけるはずです。
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