子供の頃から生涯、食事は健康にとても重要な要素です。
東洋医学では、食事は“後天の精”、生まれてから(=後天)食べることによって得るエネルギー(=精)として生命活動の一つと捉えられています。
先天の精は、生まれる前(=先天)両親から授かったエネルギーとされ、この二つの精(エネルギー)で生命は生きていると考えられています。
さて、食事から取り入れるエネルギーは「穀気」と呼ばれ、一部は血肉となり心身を栄養し、他方では体を温め・潤し邪気(=病の元)から体を守ります。
食べ物をエネルギーに生成・循環するのは、腸の働きのおかげです。
腸が元気だとエネルギーが、全身・精神に行き渡り、肌が潤い、病気から体を守ってくれる。
すごい働きですよね。
でも、腸が元気出なかったら、、、
考えるだけで恐ろしいことです。
腸内には細菌が約1,000種類、100兆個以上生息しています。
冒頭で、子供の頃からと触れたのにはワケがあります。
幼少期の食事はもちろん、生活習慣は腸に大きな影響を及ぼします。
赤ちゃんは、お腹の中や母乳でお母さんの腸内細菌と似たような腸内環境を形成します。
しかし、体調が急変するなど、外的環境にはとても弱い存在です。
そこで大事なのが、食べ物以外のなんでも口に入れ、たくさんのものを口にして、体に取り入れ・記録し・防御するといった免疫を獲得することです。
ちなみに、現代では子供の頃に土いじりしてきた子とそうでない子の腸内細菌の数は全く違うという研究もあり、土壌細菌も腸内環境と大きな関係があると言われています。
子供の頃からお母さんの力も借りて大切に養ってきた腸内細菌も、成長と共に変化していきます。
まずは、食生活の乱れ。
特に、糖質の摂りすぎは、腸内の血管を傷つけ、エネルギーが心身に行き渡るのを妨げます。
次に、ストレスや生活習慣の乱れ。
これは、腸の活動を弱めて食事自体のバランスを崩したり、ホルモンの働きを弱めて消化吸収を妨げ、同じくエネルギーの生成を妨げます。
最後に、薬。
抗生物質は腸内細菌の数を減らしてしまい、これもエネルギーの生成・循環に悪影響を与えます。
このように体にとってとても大事な腸ですが、解剖学上は、腸内は皮膚と同じ区分なんです。
つまり、人はちくわのように外側(=皮膚)と管の内(=腸)になっています。
真に若さを保つのであれば、お肌のお手入れはもちろんなのですが、腸のお手入れも必要です。
唇は、腸が外に出た場所。
口紅を塗るのは、おしゃれ以外に、異性に自分が健康的であるとアピールする手段の一面もあります。
唇の血色、艶、シワ、かさつきなどは腸の状態を表します。
他にも、東洋医学では特定の部位の状態から健康を判断する(バロメーター)があります。
「血余=髪」 「骨余=歯」 「筋余=爪」
余とはあまりの意味で、それそれ余ってできたものということです。
ですから、急に白髪が増えたり、歯がボロボロになったり、爪に縦じわか増えたりすると、血・骨・筋に問題があったり、その元となる臓腑に以上がある可能性があります。
唇ではなく舌を診る(=舌診)もありますが、間違いなく唇も健康のバロメーターの一つです。(「唇=腸余」と言っても良いのではと思います。)
こうした、体のサインに気をつけながら健康管理や食事のコントロールをすることも大切なことです。
ぜひ、気にしてみてください。
東洋医学は美容と健康に役立つエッセンスの宝庫。
でも、東洋医学(主に中医学)は漢字ばかりで難しそうなイメージが・・・
このブログでは、そんな方にもわかりやすいように、学問としての東洋医学ではなく、
実際の治療現場で目にしたり・自分が経験した事例を元に、東洋医学をご紹介します。
(化粧品業界で13年、治療現場で12年の私個人の意見も含みます。)
きっと、あなたの美容や健康にお役立ていただけるはずです。
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