とにかく蒸し暑い、、、
「今年は天候が異常」という言葉をもう数年聴き続けていますよね。
天気が異常だと、人の体はどうなるのでしょうか?
今回は、特にこの蒸し暑さと体調を考えてみましょう。
東洋医学では、天気を6つの気をベースに考えます。
天の六気 = 風・熱・暑・湿・燥・寒
これが、陰陽のリズムによって変化することで四季が生まれます。
蒸し暑い時期、一番大きくなるのは「湿」です。
では、「湿」は体調にどんな影響を及ぼすのでしょうか?

「湿」は肥満になりやすい
湿気が多いと汗をかくから肥満なんて関係ないのでは?と思いますが、肥満の原因は「湿」である場合があります。
なぜなら、この「湿」は“脾”の働きを低下させるからです。“脾”は、食事などから摂ったエネルギーを気化して全身に運ぶ「運化」という働きがあると考えられています。
しかし、体に「湿」が多いとエネルギーを気化しきれず、エネルギーは代謝されずされず脂肪という形で残ってしまうからです。しかも、外から入ってくる「湿」も気化されずに「湿痰」つまり粘っこい水分として体のいたるとことに残されることになります。これが、浮腫(むくみ)です。これが体を重だるさや疲れやすくもします。つまり、湿は「脂肪」と「むくみ」を体に溜め込みやすくして、肥満の原因となります。
では、脾”の働きを良くして、「湿」を溜めないようにするにはどういたらいいのでしょうか?
「脾」と筋肉
筋肉の細い、あまりない人は、脾虚に分類されることが多いです。これは、脾の運化作用が弱くエネルギーを筋肉に変えることができないためです。ですから、ありきたりですが適度な運動をして筋肉を動かしエネルギーを気化しやすくすることは、「脾」の働きをサポートするために必要なことです。しかし、運動などで大汗をかいてしまうことはかえって「脾」の働きを低下させます。大汗によって体に必要な津液(水分)が体から必要以上に出てしまうと、それを補うため普段から津液を体に溜め込むようになります。浮腫んでいるから汗をかくのではなく、汗をかくから浮腫みやすくなるということです。
「脾」と食
良質なタンパク質を摂ることも脾の働きを助けることになります。タンパク質は貧肉の素です。もうすぐ、土用の丑の日ですよね。夏土用では「う」のつく物を食べるというのが食養生で「梅干し・瓜・うどん」などがよく食べられていたそうです。しかし、この日に食べるのは?と聞かれたら誰もが「うなぎ」を答えると思います。これは、夏バテ予防のために美味しく栄養の良いタンパク質を摂るため定着したのでしょう。(恵方巻き同様に商業的要素も強く感じますが、、、)
運動・食事・生活リズム
運動は体に良いのはわかるけど、、
運動は苦手という人は、生活のリズムを整えるところから「湿」の対策をすることをお勧めします。
この時期は、陽が昇る時間が早いです。遅くまで寝ていると、朝起きた時には、もう外は暑くて湿気もすごいなんてことに。これでは起きてすぐに体が天気に順応しないため体調を崩してしまいます。早起きして比較的涼しいうちから体を慣らしていく。これも「脾」の働きを助けることになります。さらに、早起きすると食事のリズムも整ってくるのでこれも「脾」にとって効果的と言えます。運動・食事・早起きどれからでも構わないので、取り組むだけで体調は変わっていきますよ。
東洋医学は美容と健康に役立つエッセンスの宝庫。
でも、東洋医学(主に中医学)は漢字ばかりで難しそうなイメージが・・・
このブログでは、そんな方にもわかりやすいように、学問としての東洋医学ではなく、
実際の治療現場で目にしたり・自分が経験した事例を元に、東洋医学をご紹介します。
(化粧品業界で13年、治療現場で12年の私個人の意見も含みます。)
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